俳優のベン・アフレックは果たして監督として才覚あるか？と訊かれたらちょっと微妙なのだが、本作のようにオーソドックスなハリウッド映画を目指している姿勢そのものは買いたい所。
何だか往年のクラシック映画＝ジョン・ヒューストン『アスファルト・ジャングル』やジュールス・ダッシン『男の争い』、更にはジャック・ベッケル『現金に手を出すな』などを彷彿とさせるケイパーもので、演出スタイルがとても古風なんである。「凄く面白い！」とまではいかなくとも、何やら妙なセンスを伺わせる佳品。
たしかに演出そのものが硬直していて青臭いムードではある（笑）。が、いっその事本作をB級グルメと割り切って観たらこれがなかなか面白いのよ。アクションのキレ味も良いし、日本の古き良き抒情的なヤクザ映画みたいな感じでサ。終始ウジウジとおセンチな所も日本的だよね。😂
彼自身が敬愛するクリント・イーストウッドを相当意識した作風になってはいるが、まあベンちゃんの趣味が炸裂したオールド・タイミーな犯罪映画という意味で及第点だった作品。この人がイーストウッド並みの傑作をモノに出来るかは、知らないけどサ…。
