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スクール・オブ・ロックのpsychocandyのレビュー・感想・評価

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
4.2
この映画が公開されたのが20年前。

当時(2000年代初頭)はまだロックがカウンター・カルチャーとして何とか延命していた時期なのかな。最近では「ロック」というワード自体が何やら前時代的な響きがして、今の若い方にとってはむしろ「ダサいもの」というイメージすらあるのかもしれません。

ていうか、「ロック」はいつの時代だってダサかった。そして、ロック映画ももれなくダサい。「ブルース・ブラザーズ(1981)」を筆頭に、「シング・ストリート 未来へのうた(2016)」しかり、「ディナー・イン・アメリカ(2020)」だって。

その中でも、この映画のダサさは極め付きかもしれません。ですが、だからこそ最高&最強。ロック愛に満ち溢れた素晴らしい作品です。

ロックと社会不適合者とキッズたち。この組み合わせで、グッと来ないはずがありません。ある種人生の落伍者であるデューイ(ジャック・ブラック)が、クソ真面目な子供たちに、ロックを通じて、人生にとって大切なものを教える…。観ている途中から、個人的な生涯ベスト・ムービーである「カッコーの巣の上で」の刑務所あがりのマクマーフィと精神病院の患者たちとの構図とカブってきてしまい、なにやら、ジャック・ブラックがジャック・ニコルソンに見えてきてしまう始末。

人生に疲れて心が折れそうになった時に何度でも観返したくなる。なぜか、観るだけで根拠のない「パワー」を与えくれる。まさにロックンロール・マジック。傑作です。
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