Ryoma

大人は判ってくれないのRyomaのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.8
はぁ。恐ろしいほど静謐だ。夜にかかる虹のように異様だ。なめらかに、密やかに、胸の底まで響いてくる、決して触れることのできない、水晶のような哀しさだ。痛ましい、崩れ落ちてしまう、でも瑞々しい。とんでもない。「死」が浮遊しながら、懸命に、生きようとしてる。そうやって切り刻まれた一瞬の残酷さが、せかせかと、息を切らして、砂の上を走っている。少年は、たしかに、生きようとしてるのだ。
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