涼

大人は判ってくれないの涼のレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.0
親の心子知らず、この心親知らずと言うが、そりゃそうだ。
何しろ望まれて産まれてきたわけでもなく、父親は血すら繋がっていないのだから。
トリュフォーの少年期を半自伝的に親と子の愛情の交錯を子どもの視点で描いた作品。
文化も時代も違うが、複雑に絡み合っているようないないような曖昧な現代の親子間とは異なり、悪事を働くと叱責され、それが過ぎると親の嘆願で鑑別所に入れられる。
フワフワした空間で育てられるより、子どもの頃からこれぐらいひっぱたかれた方が自分の芯が見える気がした。
だからこそトリュフォーは映画という一つの生き方を見つけたのだと感じた。
涼