レントン

大人は判ってくれないのレントンのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.8
素晴らしい映画だった……

だんだんと歪みが大きくなり、ゆっくり戻れなくなってしまう。
無情の愛を注がれることの無かった少年と、ピュアな心がズタズタになり、誤魔化して、嘘をついて、なんとかやっていく姿が複雑な気持ちになる。
不良映画なんかを見ても思わないようなことを、これくらいの少年だと考えてしまうな。結局母親も幼稚で、母親が子供の頃のことも連鎖していくもののようにも思える。一瞬の家族の幸せがあまりにも眩く儚くきっと彼の中で幸せの断片として、そしてトラウマの1つとして残り続けるのだろう。

ぐるぐると回るアトラクションの中で、面白がって笑いながらも身動きの取れない少年。速度と勢いが増すと体が浮き上がり、貼り付けられた状態で上から大人たちが見下ろして笑っている。彼らのような少年たちから見た大人たちの縮図がこのシーンにあると思った。
レントン

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