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紅の豚の中のレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
4.5
胸が熱くなる人間讃歌。

飛行艇乗りとしてしか生きようとせえへんポルコは人間として正しくはない。
でも自分の哲学を曲げへん姿にロマン(男気とか美学とも言えるかな)を強く感じるし、登場人物たちや俺たち観客は魅了されるんやろうな。
人間に戻って仲間たちと仲良く過ごすポルコも観たいけど、やっぱり飛行艇乗りとして豚の姿で居てほしい。

一方で、動乱の時代に飛ぶ姿に憧れる気持ちだけが煽られてるのではなくて、戦死した飛行艇乗りが空に上がっていくシーンとか、ポルコが絶対に戦争に参加しないこととか、明らかな反戦メッセージもある。
そんな悲しい過去があるにもかかわらず飛行艇乗りであり続けるポルコはたぶんこの先も豚のままな気がする。

子供からみれば戦争も賞金稼ぎも変わらへんのやんな。
どっちつかずで悩みながら飛んでる豚。

あと、笑えるギャグシーンが多くて楽しかった。
登場人物は何かの比喩やったりするわけやけど、みんな憎めへん奴で好きやな。
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