ベビーパウダー山崎

煉瓦女工のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

煉瓦女工(1946年製作の映画)
4.5
街の大騒ぎを横目に、死と別れが日常だったころの貧しき日本を誠実に映した「映画」をじっと見る。なにもない未来をさも希望があるかのようにはしゃぐ欺瞞に心は動かない、一旦立ち止まり過去を見つめ直し考える、人間はだらしなくて下品で、理不尽な不幸を抱えながらそれでも生きていかなければならない。ずんずんと前を向いて歩き、走りだし、橋の奥からこちらに向かってやって来る子供たちのラストはさすがに涙をこらえることが出来なかった。