32歳にして大人の女性の心や夫婦の機微をこんなに繊細に描くなんて!オゾン監督の才能を改めて思い知りました。すごいな〜
25年連れ添った夫がある日突然いなくなる。妻の喪失感と受け入れられない現実との葛藤を描く。いろいろな捉え方ができる深い内容でした。
一緒に暮らす家族や夫婦でも知らないことは多々ある。積み重ねの中で信じてきたものが崩れた時に、人は現実とどう折り合いをつけるのか。
果たして、主人公は長年過ちを犯しながら生きてきたのだろうか、そして彼女はラストに自分自身の過ちに気づけたのだろうか。砂浜を走る彼女は再生へと向かったのだろうか。いろんな余韻を残すラストだった。
細かいところの描写が秀でてました。
ランプリングの独壇場。現実を受け入れられない葛藤と傲慢さをうまく演じていて素晴らしい。つくづく素のままが美しい女優。