vivi

ワイルド・スタイルのviviのレビュー・感想・評価

ワイルド・スタイル(1982年製作の映画)
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私はHIPHOPが苦手らしい。ラップのなぜか喧嘩腰で言葉を吐き出していく感じ…見ていて圧を感じるグラフティの色と形…どうしても苦しい。怖い。偏見です。じゃあなんでこの映画観たんだよ、と我ながら思う。(恋人から観ようと誘われた。ちょろい)

レイのグラフティへの熱量と自信は美しかった。周りと連みながらではなく、自分自身でその表現を突き詰めていく姿は魅力的に感じた。
グラフティが"落書き"であるか"アート"であるかの認識の違いが会話に現れるシーンが何度かあったが、そこでも当たり前に"アート"だと主張し、自分の作品に誇りと自信を持っている様子はアーティストとして格好よかった。

私がなんだかんだこの映画を楽しめた理由はここにあるかもしれない。登場人物たちは本当にアーティストとして生きている人たちで、技量というか、画面から溢れ出る自信みたいなものがすごくエネルギッシュで元気をもらえた。お芝居を見て!というか、とにかくこのスタイルを感じ取って!みたいな映画に思えた。

音楽メインのシーンは自分もクラブやフェスにいるような躍動感があって、一丁前に立ち上がって踊りたくなった。
でも劇場の椅子は隣の人にまで振動が伝わるから迷惑かなと思い、靴の中の足の指の動きだけでこっそり踊る私には、"ワイルドスタイル"は到底掴めなさそう。
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