半兵衛

顔役の半兵衛のレビュー・感想・評価

顔役(1965年製作の映画)
2.7
関東やくざと関西やくざの対立というオールスター映画にふさわしい盛り上がる話のはずなのに、複雑すぎる人間関係と、任侠映画というよりギャング映画のような乾いたキャラ設定になっているため(そのくせ主役の鶴田の人間関係はやくざ映画らしいウェットな設定に)中途半端な作品に。ただこの話の原型がのちの「博奕打ち 総長賭博」になったのかと思うと(兄弟の対立、身内の中に悪人がいるなど)興味深い。
キャストは豪勢な割りには大半はあまりいい役ではなく、中途半端な敵役の天知茂や、鶴田の妻役の佐久間良子なんかいいところがないまま出番を終えてしまう。その一方で現代っ娘をキャピキャピと演じる藤純子の素で演じてるような可愛さが印象的、待京が惚れてしまうのも納得。その他にもドライで兄貴に反抗的な高倉健、いつもの悪役っぽさが薄く最後もカッコいい安部徹、チョイ役なのに目立っている潮健児など石井輝男ご贔屓の出演者が目立っている。でも一番カッコいいのは待田京介、あんなふざけてるのかわからない死にかたが最高。
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