田中元

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナスの田中元のレビュー・感想・評価

3.1
一応プリクエルも観直しておくかーとレンタルするも、わかってたけどエピソード4〜6からの流れで観るとやっぱり観たかったスターウォーズはこれじゃない感が漂う。しかしながらどの順番で観るのかを解説したサイトがやたらと見つかるところから判断するに、エピソード1だから一作目と思ってこれから観ちゃう迂闊な人も世の中には相当数いると思われ、でもその順序なら予備知識がない分これじゃない感は抱かないのかもしれないが、やはりどこからどうみても旧三部作に繋がることを観客が知ってる前提の描写だらけなのであります。ということで、これじゃない感は仕方ないけどきちんとそうした要素も理解し楽しみながら観るには本作からではなく製作順がいいに決まってるわけです。しかしこのエピソード1は本来の一作目である『新たなる希望』に輪をかけてただただひっかかりなくさらさらとお話が流れていく、観客の興味を次へ次へと引っ張る演出力に欠ける映画であり、『帝国の逆襲』で上がりまくり『ジェダイの復讐(現・ジェダイの帰還)』でもかろうじて維持していたテンションが途切れちゃうのです。それゆえ観る順番解説サイトではエピソード1は観なくてよろしいとしているところもあるほどですが、私としてはこれじゃない感が充満しつつそれでもかろうじてスターウォーズっぽくはあるところもある本作を、スピンオフ的なものとしてとらえておけばいいんじゃないかなあ、と今回の何回目かの鑑賞で思った。といってもこれから公開される予定のそれなりにきちんとしてるであろうスピンオフじゃなくて、『イウォーク・アドベンチャー』とか『エンドア』とか『ホリデースペシャル』とかその辺の流れのスピンオフの一本みたいな感じで。であれば本作は最高に完成度の高いスピンオフの栄誉に輝くことでしょう。
田中元

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