Sugi

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナスのSugiのレビュー・感想・評価

3.6
スターウォーズEP6の公開から約15年経たのち、満を辞して公開されたEP1「ファントム・メナス」。
印象としては、シリーズの重要な鍵を握るアナキン・スカイウォーカーの生い立ちや人となり、またジェダイの騎士達の姿や精神などを丁寧に紹介し今後の物語の布石を打った一方で、それだけでは一本の作品としてあまりにもインパクトが薄いということで、ポッドレースやダース・モールとの格闘アクションなどキャッチーな演出を上手く盛り込んでいたように見えた。

シリーズの中でも賛否が分かれ、一部のファンからは「最も嫌われているエピソード」として不名誉な王冠を勝ち得ているというが、、、

個人的には15年の月日を経て圧倒的に進化した映像クオリティで撮影したポッドレースの白熱したシーンはすごく魅力的に感じたし、何よりカメラの側を飛行船が走り抜ける際に聞こえる、回転するエンジン音がレースの疾走感や迫力を最大限に感じさせる役割を果たしていてとても良いと感じた。

一方で、ストーリー性の観点から見れば、前半はアナキンのポッドレースが1つ目の山場、後半はグワイ=ガン=ジンとオビ=ワン擁する共和国vs戦闘アンドロイドを用いる通商連合軍の戦闘が2つ目の山場、という風にすごく分かりやすくシンプルな作品構成となっており、全てCGで描かれた近未来都市の映像やワイヤーアクションまで活用したジェダイの戦いなど派手な見どころはあったものの、内容の薄さは確かに否めない。その中でもライトセイバーの剣術は格段にスキルアップしており、Ⅳ「新たなる希望」のダース・ベイダーvsオビ=ワンのチャンバラに比べると随分と見れるものになったと感じた。

ただ、ストーリー性の観点でもしっかり評価点はあった。オビ=ワンがアナキンの師となる理由・根拠については100%納得のいくものであり、グワイ=ガン=ジンについて細かく描写される脚本だったことによって、オビ=ワンとアナキンの両者の結びつきがより強固なものになる理由づけが出来ていた。それが今後のストーリー展開に十分な役割を果たすことになると考えられる。

賛否両論分かれた本作を観た後、個人的に最もタイトルに惹かれないEP2「クローンの攻撃」を鑑賞することとする。
Sugi

Sugi