いろどり

サンダカン八番娼館 望郷のいろどりのレビュー・感想・評価

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.5
かなり良かった。
天草を中心に「からゆきさん」と呼ばれる海外娼婦の女性の半生。実話に基づく血と涙の半生を、田中絹代、高橋洋子が熱演。この演技で田中絹代はベルリン国際映画祭で女優賞を受賞。私は高橋洋子も受賞に値する素晴らしい演技だったと思う。

今作は女優陣の鬼気迫る演技が見どころ。水ノ江滝子も迫力がありかなり良かった。社会の片隅で歯を食いしばって生きてきた女性たちの魂が乗り移ったような凄みのある演技合戦は圧巻。アカデミー賞外国語映画賞ノミネートもうなずける。あまりに面白くて食い入るように観てしまった。受賞してたらもっと有名作品になっていたのかもね。


江戸時代から東アジア・東南アジアに渡る労働者は男女ともにたくさんいたらしい。女衒(ぜげん・斡旋業者)によって外国で遊女となる人のなかには人身売買された少女も多く、今作の主人公もそれにあたる。

第1次世界大戦前までは、外貨を稼ぐ手段の1つだったとのこと。
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