うめ

サンダカン八番娼館 望郷のうめのレビュー・感想・評価

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.0
あれほどまでに

帰りたかった場所は

もう変わってしまった

あれほどまでに

恋しかった人だけど

結ばれるはずもなかった

あれほどまでに

大事に育てた息子は

もう仕送りでしか繋がってはくれない

どうして

与えられた場所で

精一杯に生きた彼女が

こんな生き方を強いられなければいけないのか

最後の言葉が重く心にのしかかります



東南アジアに売られていった女性の真実を調べる学者
栗原小巻さんの美貌に息を呑み

訥々と自分の人生を語る元“からゆきさん”の老女
田中絹代さんの演技に舌を巻く

シンクロしていく2人の
言葉に
怒りに
涙に
感動いたしました

日本人が知っておかなければいけないのに蓋をされている沢山の事実
負の歴史であったとしても
国とメディアはこういう事こそを伝えていくべきだと思う
うめ

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