mh

ナチス、偽りの楽園 ハリウッドに行かなかった天才のmhのレビュー・感想・評価

-
テーマはふたつで、ユダヤ人コメディアンであり監督のクルト・ゲロンの半生記と、プロパガンダにも使われた通過収容所テレージエンシュタットについてのドキュメンタリー。
ハリウッドへの移動を試みたときにフリッツラングから返事が来なかったエピソードとか本編でちゃんとやってる。副題の「ハリウッドに行かなかった天才」というのは誇張気味。正しくは「ハリウッドに行き損ねた才人」くらい。
ワルシャワゲットー(映画だと「コルチャック先生」や「アップライジング」)で映画の撮影していたフリッツヒップラーの代表作・プロパガンダ映画「永遠のユダヤ人」に出演しているとのことなんだけど、どこで見れんだろそれ。すごい見たいんだけど。
テレージエンシュタットについても、なんか誤解を生むような構成になってた。偽装された楽園みたいだったのは、ごくわずかの一時期で、ほかのほとんどは通過収容所(とゲシュタポ刑務所)という性質だったようだ。

追記、↑の認識誤っていた。
待遇のいい収容所として、ユダヤ系の知識人や要人を収容していたのは本当みたい。
外国へのアピールなんかにも使われていた模様。
「我が教え子、ヒトラー」でその様子がちょっわかる。

作中、クロードランズマンのドキュメンタリーを孫引きしていることに驚いた。
知見は広がった。それなりに面白かった。
mh

mh