とみぷー

アストロノーツ・ファーマー/庭から昇ったロケット雲のとみぷーのレビュー・感想・評価

2.3
久しぶりに出会えた文句無しのクソ映画。アメリカンドリームとしてのロッキーと世界観としてのニューシネマパラダイスを掛け合わせたらロッキー要素が全く無くなってしまった作品。タイトルから宇宙で牧場物語するほっこり映画かと思ったが全然違うのは置いといて、冒頭からロケットが出来上がってしまっているのは頂けない。それのせいで主人公がただのわがまま変人男にしか見えない。主人公がロケットを作る過程を見せながら観客に感情移入させる描写を作る方が絶対に面白いし、物語の焦点もはっきりするはずなのに。このように本作は焦点がブレブレなので一つ一つのエピソードがつぎはぎだらけでぶつ切り感が凄まじい。あと家族の描き方が非常に記号的で気持ち悪いの一言。これはニューシネマパラダイスにも通じる『良きことのためにはそれ以外の何事も無視してもいい』という世界観の歪さから来るものであると思う。とにかく脚本と編集がずさんだととんでもないものが出来上がるということを教えてくれる一本。中盤のロケット発射シーンは最高に爆笑できる(もちろん爆笑シーンではないのは言わずもがな)。
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