シモン

パンチドランク・ラブのシモンのレビュー・感想・評価

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
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ピュアな心が一気に蘇る!
まさにグーパンされた感じ

ストーリーラインはめちゃくちゃなんだけど、それが逆に非日常性を描く上での調味料になっている

フォレスト・ガンプみたいに頭が抜けててなぜか応援したくなる。
キャラ設定で中年髭オヤジを選んだのは大正解だね

原作の小説があったら読んでみたくなるほどに行動がイカれてる

▼ネタバレあり

冒頭のカークラッシュはきっとクラッシュ(一目惚れ)の予兆だよね。
その直後に道端に捨てられたハーモニウムは、あなたの人生には音色が必要だというメッセージなのかな。それか息を吸ってばかりじゃなくてちゃんと吐かないとダメですよっていうことかな。息を吐かないと音が出ない楽器だけに

主人公はそれを隠れて会社で弾こうとすると、同じタイミングで従業員が会社にやってくる。ここで、人前でも弾き続けられるかどうかがこの映画におけるキーになる


口うるさい7人の姉に囲まれて育ったことで、自分の男としての性格を抑えて生きてきたバリーは、そのせいで自分の秘密や心に抱えた病を人に打ち明けられないでいる。
テレフォンセックスでも個人情報を教えることに躊躇し、姉の夫の歯医者にも相談した心の病を姉たちには言わないようにと口封じをする。
バリーは大人になってもいまだに心に蓋をしているのだ。

日々抱えるストレスの解消法が、お得な商品を買って満足感を得ること
突然買い占めたプリンについて従業員に言及されても、バリーは他人からの心配にはお構いなし。その場しのぎの返事をしてそれとなく流してしまう

そんな中、姉からの誘いで女性を無理やり紹介され、リナと出会う。
リナは根気強くバリーをアタックする。
しかしバリーはそのアタックを邪魔に思う。

しまいには、度々くる姉妹からのイライラでストレスが爆発して物を破壊してしまう。

そこに、バリーの態度を矯正するかの如く、テレフォンセックス女のボスのゆすり屋が現れバリーを襲う。

バリーは守り続けていた自主規制の心を解放せざるを得なくなり、リナのいるハワイへと何の準備もなしに逃亡する。

しかしその行為はバリーに思わぬ幸運をもたらす。
バリーはリナと深く結ばれ、恋の力を授かる。
そして自ずと本音を話せるようになっていく。

そこから先は、これまで何十年と溜め込んできた感情の解放のメロドラマ
汚い言葉の連発がもはや爽快でしかない

もうバリーは、自分のストレス発散ではなく、大切な人を守るために物を破壊する。
シモン

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