キミシマユウキ

パンチドランク・ラブのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
3.6
女ばかりの大家族のもとで育ち情緒不安定で時々爆発してしまうバリーは、ある日姉の紹介で出会った女性と恋に落ちるが…

数多くのコメディ映画出演で有名なアダムサンドラー主演のロマンティックコメディ。
監督は「マグノリア」などのポールトーマスアンダーソン。
好き嫌いの分かれるアダムサンドラーの演技に新たな可能性を見出したという話をフォロワーさんから聞き鑑賞。
元からアダムは好きな側だが…


なんと!!あのアダムサンドラーが一度もボケない!?!?
一風変わった異色のラブコメ映画になっていた。
アダムサンドラーを知らない方にはこれがどういうことか良くわからないと思うのでもう少しわかりやすくいうと、
ウザいくらい高めのテンションで今でも芸能界第一線を張っているアンタッチャブルのザキヤマが、バラエティの雛壇の席にて真顔で90分間座ってるくらいの衝撃なのだ!!!(分かりずらいか)
そして作品自体の雰囲気もとても不思議で面白かった。
P.T.アンダーソン監督作品は実は初めてだったが、どれもこういう独特な作りになっているのかな?
主人公バリーの感情と比例しているのか、静寂な雰囲気と音楽から突如訪れる怒りのような騒々しさ。夢の中にいるような暖かい色調も印象的だった。その割には物語自体はあっさり淡泊だったかな??

主演のアダムサンドラーは見直した!!
自分んは結構好きだが、この人本当に嫌いな人は
「嫌い!キモイ!下ネタ!!ブス!!」
となる俳優らしい、しかし嫌いだという人はこの作品を是非見てもらいたい。少し認識が変わるかもしれない。キレて周りのものをぶち壊していくシーンの迫力は素晴らしかった。そしてもう一回いうとボケない。
ヒロインは普通におばさんの女優で知らなかった。タイプじゃないので割愛する、ファンの方はごめんなさい(笑)
そして主人公に脅しの電話をする野郎にさりげなくフィリップシーモアホフマン。
彼とアダムの「F○ck合戦」電話はかなり笑える。チョイ役でも存在感が半端じゃないのは名優たる所以か。安らかに。
あとさりげなく強面俳優ルイスガスマンも出ていた。さりげなく。

90分弱でサラッと観れてロマンチックな気分にもなれるので得した気分。普通のラブコメや下品なコメディを見すぎて飽きちゃったという人はこの少し変わった雰囲気を味わうにはピッタリかも??


ラブコメ好き、P.Tアンダーソン監督好き、アダムサンドラーのファンそして、アダムサンドラーが嫌いな人にも逆にオススメしたい作品。