おてつ

先生を流産させる会のおてつのレビュー・感想・評価

先生を流産させる会(2011年製作の映画)
3.5
 最近劇場で鑑賞した「許された子どもたち」や転校先の学校で壮絶な虐めを受ける復讐譚「ミスミソウ」の内藤瑛亮監督作品。

 愛知県で実際に起きた事件を元に映画化。担任の教師が妊娠をした事で嫌悪感を抱いた子ども達が「先公キモくね〜?セックスしたんだよ?」的なノリで“先生を流産させる会”を結成し、給食に薬品を混入させたり、椅子の背もたれのネジを緩めたりと、あの手この手を使って先生を流産させようとする。終始、鬱屈とした展開と子供にあるまじき蛮行に驚愕。そして、女性の苦しみを介して生じる共感。しかし、犯してしまった罪というのは一生消えることはない。

 やはり、この監督の作品が好きなようで今作も嵌ってしまいました。「ミスミソウ」も「許された子どもたち」も多感な思春期の子どもを映し出していたが、「先生を流産させる会」も同様でした。愛知県で起きた実際の事件の犯行者は男の子だったらしいが、今作では女の子に改変されている。この改変が物語をツイストさせていて上手い。思春期の女の子には何もかもが鬱陶しく映る世界だけど、女性ならではの苦しみや時に守ってくれる大人の温かさを介して成長していく……と思われる(ミヅキがサイコパスすぎて何を考えているのか分からないため)

 主演のミヅキ役の人の演技がサイコパスすぎてやばかった。突出して演技が上手いっていうわけでは無いのだが、セリフのトーンが一切変わらなかったり、どんな事が起きても無表情で、まさに狂人を体現したような感じで、悍しい。

 名前からして、エグい内容を想像するけど天下のミスミソウに比べたら全然マシでした笑。まあ、オススメはし辛い作品ではあります

 
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