りょう

ウォンテッドのりょうのレビュー・感想・評価

ウォンテッド(2008年製作の映画)
3.6
 拳銃から発射された弾丸がカーブする…。弾丸は回転しながら直進するんだから、別軸の回転を必要とするカーブなんて無理(1つの物体は複数の方向に回転できません)…という物理の知識がなくてもわかりますが、なんとなくできそうに思えてしまう映像はすごいです。劇場公開された当時は、アクション映画のシーンとしてインパクトがありました。
 主人公はジェームズ・マカボイが演じたウェスリーですが、フォックスを演じたアンジェリーナ・ジョリーの魅力が全開です。ポスタービジュアルもほぼ独占しています。赤いスポーツカーのボンネットで仰向けになってショットガンをぶっ放しているシーンが有名ですが、足でハンドルも操作しているって…。
 もともとコミックが原作らしいですが、冒頭からあり得ないアクションシーンの連続で面白いことは間違いないです。ただ、物語としては単純で、うだつのあがらないウェスリーが暗殺者に成長する過程もありがちな展開です。物語の進行に関与する登場人物が少なすぎる印象でした。
 あまりリアリティは追求されていませんが、列車の乗客がたくさん犠牲になったり、無数のネズミが自爆させられるシーンにまったく悪びれる雰囲気がなく、そこは少し納得できません。
 序盤に使用されるNine Inch Nailsの“Every Day Is Exactly the Same”は、ウェスリーの境遇や日常にマッチしていますが、この楽曲としては音圧が低すぎるので、ファンとしては不満です。
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