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ファンタズム IIのYOUのレビュー・感想・評価

ファンタズム II(1988年製作の映画)
3.5
ドン・コスカレリが監督・脚本を務めた、1988年公開のシリーズ第2作。
9年ぶりに制作された『ファンタズム』の続編である今作は、マイク役の俳優がマイケル・ボールドウィンから当時売り出し中だった若手俳優ジェームス・レグロスに交代しています。もういかにも「大ヒットホラー映画の続編」というオーラがビンビンに感じ取れ、前作が大好きだった人ほど嫌悪感を抱いてしまうタイプの一作だと思います。そしてその傾向が顕著に表れているのが開幕早々繰り広げられるアクションシークエンスです。要は今作は前作の直後からスタートするのですが、『13日の金曜日』より1年早く先取りしているとも言える”あのオチ”の後が描かれちゃう訳で、その結果は案の定ガッカリなブリッジのさせ方でした。えっ、闇に引きずり込まれたと思ったら、そういうことなんだ…(笑)。その後ひとしきりアクションを済ませたら今度はいきなりもの凄げぇ大爆発がドーン!「はい!これで話の整合性は完了っと!」と言わんばかりのこの雑なブリッジ、ただこれも今回の方向性的にはむしろ合っていると思います。何しろ今回は割とはっきりアクション色強めな一作に仕上がっており、これも『新・13日の金曜日』以降のシリーズのシフトと近いですよね。ガンアクションやカーチェイスも前作から更にパワーアップしていますし、このあからさまな続編感、B級感も自分は結構楽しく観ることが出来ました。

そして前作から更にパワーアップしていると言えば、はい出ました!空飛ぶ殺人鉄球こと「シルバースフィア」!特に今回のシルバースフィア初登場シーンの”ドヤ!”感というか”満を持して”感というか、これ前回相当手応えあったんだろーなー(笑)。相変わらず見せ方やゴア描写のインパクトも強烈ですし、ここに限らず今回はマーク・ショストロムがデザインし弟子2人が造形したという特殊メイクがかなり良い仕事をしていると思います。エリザベスの背中からトールマンの顔がえぐり出ているという幻覚シーンは『遊星からの物体X』や『トータル・リコール』にも匹敵する悪趣味グロテスク描写になっており、ここだけでもホラー映画としての価値は十分に担保されています。またシンメトリカルな画面構成がそこかしこに見られ、映画としてのルックも今作の方がカッコ良くて好みです。という事で個人的にはこの2作目も結構面白かったです。これってもしかして僕の超絶大好きな「格式高い1作目とはまた違う、エンタメに振り切った抜けの良い2作目」なのではないか、、、まぁ検討しておきます。































































































































やっぱ終わり方はこうでねえと。
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