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トレインスポッティングのYのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
4.5
ドラッグ中毒のマークは不況に喘ぐスコットランドのエディンバラでヤク中仲間と怠惰な生活を送っていた。人のいいスパッド、モテモテでジャンキーのシック・ボーイ、アル中で喧嘩中毒のベグビーらと悲惨な現実を前にしてもドラッグやナンパ、軽犯罪やクラビングを繰り返す毎日。そうこうするうちスパッドが受刑者となりマークは何度目かのドラッグ断ちを決意。必死の麻薬治療を受けた彼は、ひと旗揚げようとロンドンで仕事を見つけ真っ当な生活を目指す。しかし、未だ更生しないベグビーらがそんな彼を追いかけてくる。
ずっと観ようと思っていたのだが、なぜか後回しにしていた作品。鑑賞後はもっと早く観ておけばよかったと後悔してしまった。
パンクスにモッズにスキンズ、80〜90年代のイギリスはやはり素晴らしい!
影響を受けた音楽やロッカーがいて、1人1人に自分のスタイルがある。誰しも同じようなファッションをしている今とはまるで違う。
当時のファッションを知るためには当時の映画を見るのが間違いないと再確認した。
決して褒められた生活ではないのだが、グチャグチャな刹那主義というか無政府主義というか、全力で生きながらえている彼らはカッコいい。
ドラッグを使うシーンや便器の中に入り込むシーンなど、どのシーンも生々しく観ているこちらも気持ち悪くなってしまう。
中でも、マークがクラブで知り合った女の子が女子高生だったと知り、「犯罪だぞ」「バレたら刑務所行きだ。もう2度と会わない」と突っぱねるシーンは印象的だった。未成年への線引きがしっかりとされている海外ならではだ。
女子高生が教師に恋をして教師がそれに応えるようなクソ映画が当たり前に作られたり、至極当然のように未成年を性消費する日本とは大違い。
冒頭のセリフに対するラストシーンのアンサーもポイントだ。
皮肉の利いたユーモア溢れる会話、登場人物の際立ったキャラクター、どれも最高だった。
ハチャメチャな中に存在する疾走感、この映画を観終わった後はなんだかスッキリとした気持ちになるはずです。
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