よく『真夜中のカーボーイ』や『スケアクロウ』に例えた感想を見かけるが、この映画のショーケンはどっちにも似てない。
強いてニューシネマに例えるなら『ファイブ・イージー・ピーセス』のニコルソンが近い。
一見、ショーケン×田中邦衛のバディムービーの体を取ってはいるが、あくまでショーケンの映画だ。
台詞と口は合ってないし、通行人へのビンタ・意味もなく屁をこく等、物語に不必要な言動に明け暮れる。
俺はこういう”神代節”が大の苦手だし、普通の役者がやると鼻につくだけ(元に試作品である『恋人たちは濡れた』は嫌い)だが、空虚な主人公にショーケンが命を吹き込む。
俺とっては実在の人物に近い。