スギノイチ

グリズリーマンのスギノイチのレビュー・感想・評価

グリズリーマン(2005年製作の映画)
3.5
序盤はいかにも動物系ドキュメンタリーという感じで「ああ、ネットで見かけるヒグマ同士の喧嘩動画ってこれだったのね~」なんて気を抜いて観ていたが、ティモシー・トレッドウェルの半生が語られるようになってから興味が出てきた。
ヒグマと本人が映る映像はティモシー自身が撮った映像の編集版なので、周囲がティモシーを語るパートこそがヘルツォークの演出ということになる。

学生時代は役者志望のパリピで、オーディションでウディ・ハレルソンに敗れてからドロップアウト。
オーストラリア人ぶろうとしてバレバレの嘘方言を使うなど、ティモシーのホラッチョな面も隠すところなく挿入される。
ティモシーとエイミーが殺される直前、「彼らはクマを友だちと思っていたが、私には野生動物の冷酷な食への執着しか感じない」という突き放したナレーション。
ティモシーにもクマにも纏めて冷徹なヘルツォークの目線を感じる。
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