すずす

アフリカの光のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

アフリカの光(1975年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

神代辰巳監督、萩原健一、人気小説、ナベプロ×東宝による『青春の蹉跌』に次ぐ青春ドラマ。

助監督に長谷川和彦。

以下は物語。

知床半島の羅臼。ロシア語のラジオを背負って降り立った2人の男。ジュン(萩原健一)とカツヒロ(田中邦衛)は、春になったらアフリカ行きのマグロ船に乗ろうと話をしている。

飲み屋で地元漁師に絡まれ、喧嘩になる2人。金もなく、お触りパブでも喧嘩する2人は、当座の金欲しさに、吠え縄船で日銭を稼ごうとする。しかし、パブの女フジコ(桃井かおり)がノミ賭博の見張り役を持ち掛ける。ジュンは引き受けるが、カツヒロは地道に船に乗るが、寒さに体調を崩し、熱が下がらなくなる。仕方なく、カツヒロは春を待たずに羅臼を去っていく。

ジュンとフジコの賭博場が警察の手入れを受け、2人を残し逮捕される。
金がなくなったジュンは、マグロ船に乗ろうとするが、時期を逸していた。仕方なく、喧嘩していた地元漁師の船に乗り、タコ殴りにされ殺されかける。そして、仕方なく、ジュンも羅臼を離れるのだった------

ゲイ風味が多分に盛り込まれ、『真夜中のカウボーイ』や『スケアクロウ』的な男2人の微妙な友情を軸にしているのが特長。

所々、最北の冬の風景は魅力で、ショーケン、田中、桃井の芝居はリアルすぎる生々しさ。アフレコで重ねている心の声的な台詞、『蹉跌』に続く意味のない歌も悪くない。だが、しかし…

構成が破綻していて、盛り上がりがない。
主題のアフリカの光、つまり儚い若者の夢が殆ど、蚊帳の外に外されてしまい、感動が薄いのだ(原作は40年前に熟読)。
すずす

すずす