アフガニスタンのカブール。
良いとこの坊ちゃんアミールには、召使いの子でハッサンという親友がいた。
しかし、ある事件をきっかけに取り返しのつかないことになる…
幼少期はタリバンが台頭する前の時代。
大人期はタリバンが政権を取り、圧政を敷いていた時代。
アフガニスタンはいくつかの人種で構成されていて、パシュトゥーン人が最多の人口。
この映画のハッサンはハザラ人で、かつてタリバンなどから迫害を受けた少数民族。
この映画でもハザラ人だからと虐げられるシーンがある。
アミールとハッサンの友情物語を期待していたらちょっと違ってた。
何よりアミールが酷い奴で全然感情移入出来なかったよ。
例えば「聲の形」ではイジメられた方がイジメた人と恋愛するのが現実的でないという批判があったけど…。
正直この映画も何の贖罪もしてない段階のアミールに対してハッサンが何故普通に受け入れてたのかが分からん。
アミールがタリバン政権下のカブールに戻ってからの展開もちょっと非現実的。
たぶん普通に殺されてるでしょうね。
そして今まさにアフガニスタンでは米軍撤退によりタリバンが再び政権を奪還。
またもや女性への厳しい暴力や抑圧、そしてアフガンの民への粛清や処刑などがまかり通るような状況になりつつある。
穏健派が過激派のハッカニにより失脚させられたという情報もあり、おそらくテロの温床に逆戻りするのでは。
こういった情報を見聞きしていると、やはりこの映画は甘いんではないかなと感じてしまった。