リッジスカイウォーカー

アメリカン・ビューティーのリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
3.0
やたら賞を取ってるので、ずっと気になっていた作品。暗い作品というのはなんとなく知っていたのでなかなか見る機会がなかったけど、この度ようやく観ました(^-^;
(子どもがいたり、妻がいるとなかなかねー)


人間が隠したい「暗部」をこれでもかと取り上げている。


仮面夫婦、不倫、麻薬、コンプレックス、同性愛、盗撮、虐待、見栄、自慰。などなどetc.

光と影があるように、人にもある闇の部分。

普段の生活では絶対に見せられないものを誰しも抱えている。

人間社会は我を全てさらけ出しては生きていけない。

だからこそ「鬱憤」が溜まるものである。

それをいかに昇華し、世俗を生きるか。
そう考えると人間の日々は苦痛でしかないのかも。

人は誰しも完全には分かり合えない。
クローンでもない限り。
DNAの構造から違うから、100%同じ考えを持つわけじゃない。

だけど違うからこそ「他人」の気持ちに触れることで「自分」の理解に繋がるんじゃないかと思う。

主人公は最後、自分にとっての幸せとは何かに気づく。
幸せに気づくには、自分の抱えてる不満や不安、疑問全てに合点がいく必要があるのかも。

「時すでに遅し」となるのか「輝かしい未来への扉」となるのか。
「知らずに生きる」というのも一つの選択肢か。
「知らずに生きられない」のも、人の性ではあるなぁ。

人間って知れば知るほど、どうして愛想を尽かしてしまうのか?
去年はゲス不倫という言葉が生まれるほど、芸能人の不倫の報道は多かったが、公にならないだけで、普段の生活の中にいくらでもあるだろう。

結婚という契約により、自由恋愛は奪われる。だからこそ生まれる闇もある。

外見は老いるが、心は老いない。
外見は老いないが、心は老いる。
老いのスピードは人それぞれだから、それがギャップを生むのかもしれない。

ルールがなければ社会は成り立たないが、ルールに縛られるから人は真に幸せを手にできないとも言える。

人と自分の悩みを比べて、一つ一つ折り合いをつけていく。
苦しみながらも、それが生きるということかもしれない。

この映画は、観る年齢、境遇、環境、家族構成によって多様な感想を持つだろなー。

これを観た方々はどう思っただろう?
一つ一つの場面について、語り合える題材がたくさんあるね。

とはいえ、他人とは語り合えないわなぁw
よっぽどの親友じゃないと無理だな。

そして、もう一回気楽に見れるようなものでもない。

深く心に刻み、場面を思い出すので十分。
生きる教訓にはしていきたい。