TP

アメリカン・ビューティーのTPのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 現代のアメリカの病的な部分を代表的に描き出している。最もまともなのは、常にデジカムをまわし、なんでも記録にとどめる変人と見られ、ヤクの売人である隣人の息子か。彼だけは物事の本質をわかっているようだ。
 大筋的には皆が破滅へと進んでいき、最後は父親が殺され、全く救いようがなく、何故この映画がアカデミー賞に?と単純に考えると疑問に思ってしまうのだが、私は確かにヤクの常習者になり、仕事も辞め、傍から見るとまさに人生を捨てているとしか思えない父親だが、その心の中に芽生える幸せの自覚が、そこだけを感じると実にリアルで、何かほっとしてしまったのだ。天真爛漫な幸せなど求められない現代に嘘っぽい作り物の幸せを描くよりも、体裁に囚われない幸せを観るものに感じさせる只者でない映画と感じた。
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