Omizu

マデロンの悲劇のOmizuのレビュー・感想・評価

マデロンの悲劇(1931年製作の映画)
2.9
【第5回アカデミー賞 主演女優賞受賞】
エドワード・ノブロック原作舞台劇『子守唄』を脚色した作品。舞台出身のヘレン・ヘイズは本格映画デビューにしてアカデミー主演女優賞を受賞した。

泣いたけど、これ間に入った医師が一番悪いのでは。それこそ女性の立場がひどく軽視された作品であり、美談として描いていい話ではないと思う。

ヘレン・ヘイズは可憐な娘から老婆までを見事に演じている。恋する乙女、裏切られても信じ続ける母、商売女に成り果てた年増女、貧乏な老婆と一人の役者が演じたとは思えない変わりっぷり。

でも母が犯罪歴があるからって社会から隠す医師には怒りしかない。少なくとも開業医になってからは息子に知らせるべきだろ。いくら彼女が嫌がっても親子なんだからさ。

短い尺で一生を語る早い展開はよかったかな。こんだけ辛い話を延々やられてもね。全体的な演出は文句はない。演技派のヘレン・ヘイズを称えるべき作品であることは疑いようがない。でも当時の「ひたすら耐える良き女性」というステレオタイプそのままであることはちょっといただけない。
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