MASAYA

フォーリング・ダウンのMASAYAのレビュー・感想・評価

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)
3.6
ただ家に帰りたいだけなんだ!!

高速道路で大渋滞、暑いのにエアコンの故障、空いたまま閉まらない窓、そこから入り込み飛び回る蝿。
オープニングから見事なイライラ要素に溢れています。

そんな状況に嫌気が差したスラックスにYシャツ、ネクタイ姿の白人中年(マイケル・ダグラス)が「家に帰る!」とだけ言い残して、車を乗り捨て、歩き出すところから物語は始まります。

家に帰るのにはちゃんと理由があります。その日は離婚して別居中の娘の誕生日だったのです。つまり家というのは"離婚した妻の家"のことで、決して自宅ではありません。

さあ、娘のために元嫁宅に行くだけでは大して面白くないですよね。どこがポイントかというとマイケル・ダグラス演じる主人公がとち狂ってるということです。

気にくわないと、暴力を振るい、しまいには相手から武器を奪って立ち去ります。悪漢から絡まれることもあれば、自分から難癖をつけていきなり癇癪を起こしたりと。もう本当に理不尽極まりないです。

ただ、面白いのが元妻の家に近づくにつれてどんどん装備がグレードアップしていく点です。
木製バット→機関銃→ランチャー
ついには格好も軍人のような服装になるから完全に向かう方向がおかしいです。

そしてこの物語に深みを与えているのがその日が退職記念の刑事、ロバート・デュヴァルです。引退刑事が周りは気にしないような小さな事件の情報や共通点を手がかりに狂人マイケル・ダグラス逮捕に奮闘するんです。

最終的に2人は体面するのですが、果たして元妻と娘は無事に元夫から逃げることができるのでしょうか?ロバート・デュヴァルは犯人を逮捕することができるのでしょうか?

午後ローにしては見応えのある作品でした。
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