ブラックユーモアホフマン

NINIFUNIのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

NINIFUNI(2011年製作の映画)
4.2
キレッキレだわ。
まず映像と音の演出がキレッキレ。
ただ歩く男の背中を追うだけのカメラで、緊迫感を演出するのは『ディストラクション・ベイビーズ』でもやってた。
カットの切り替わるタイミングとかが気持ち良い。ぼーっと立ってる男の全身をとらえてて、枯れ葉が風で飛んできて画角に入ってきたところで切り替わるのとか超気持ち良い。映像のテンポ感が好き。セリフなくて、何も起きてなくて、長くね?って思い始めた辺りで切り替わる感じが絶妙。
そして音の演出。大きくなったり小さくなったり、右に行ったり真ん中になったり左に行ったり。どの音をどういう使い方するのか、っていう立体的な組み立てが超上手い。キレッキレ。
そして話のシンプルさ。メイキングで言ってた通り、人によっては「で?だから何?」と思ってしまうだろう話だけど、こんなことがあった所でこんなこともありました、という"面白い"シチュエーションだけを提示して、観客に、どう思いますか?と投げかける。
個人的には、マイケル・マン監督『コラテラル』を少し想起したり。
そしてこの42分というタイトな尺でこのシンプルな話でキレッキレの映像と音で、そこにタイトルを「NINIFUNI」とすることで一気に作品を丸く収めた感じ。
スマート。実にスマート。