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浪花の恋の物語のchiyoのレビュー・感想・評価

浪花の恋の物語(1959年製作の映画)
3.5
2021/3/15
人形浄瑠璃「冥途の飛脚」、歌舞伎「恋飛脚大和往来」を映画化。飛脚問屋・亀屋の養子で、真面目が取り柄の忠兵衛。が、無理矢理に新町廓に連れて行かれ、帰る帰ると言いながら泊まってしまう優柔不断っぷり。こういう人が色恋を覚えると、なかなか融通が効かなくて難しいのである。そして、時が経つにつれて歯止めが効かなくなり、その姿は狂気を感じるほど、そんな忠兵衛を中村錦之助が好演。対する、梅川演じる有馬稲子もすこぶる綺麗で、二人のシーンがとても絵になる。ただ、忠兵衛が梅川に夢中になった理由は言わずもがなでも、梅川が忠兵衛をそこまで想うようになった理由がいまいち伝わらず。狂言回し的な位置づけの近松門左衛門演じる片岡千恵蔵、人形浄瑠璃に中村錦之助と有馬稲子の舞等、見どころはたくさんあるものの、ラストは引っ張りすぎな感が否めず。
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