Rio

告発の行方のRioのレビュー・感想・評価

告発の行方(1988年製作の映画)
3.5
主演のジョディ・フォスターがアカデミー賞で主演女優賞をとった作品。

サラの感情が真っ直ぐ伝わってきて、さすが主演女優賞だなって思いました。
特に、裁判のシーンで、事件の日の証言をしながら涙を流すシーンはとても感動しました。

とてもシンプルで分かりやすく社会の問題を切り取った作品だったと思います。

リアルだからこそ、見終わって報われたと思う部分と、それでも納得できない部分があり。

見る側の性別とかでも、捉え方全然違うんだろうなって思う。

実際にはサラのように司法に訴えて、きちんと言いたいことを述べる機会をもらえた被害者の方が少ないんじゃないかな。

裁判は、証言や証拠書類がメインになって、冷静で静かなところで語られるストーリーを、臨場感持って話を聞ける人はなかなか多くはないだろうけど、その場に自分がいたことを想像して相手の気持ちを考えるって、実はすごく難しいんだなって思いました。

女の私でも、事件のあとサラが話す言葉を聞いて、そこまでひどいとはなかなか感じられなかった。やっぱり、耳から聞いたり文字を読むことと現実って全然違う。

ニュースや新聞で、遠く離れた国の内戦で苦しむ人たちの話を聞いてる時に似てる。本当は自分が感じたり理解できるよりもっともっと深刻な事態だけど、なんとなく他人事になってしまう。

裁判で、「暴行されてた時、NOとしか言ってないの?警察呼んで、とか、襲われてる、とか言ってないの?」って弁護士が被害者のサラに言ってたシーン。

弁護士は仕事だからそういうでしょうね。でも、これはかなり被害者にとってはキツイ一言だなって感じた。

だって、まるで自分が悪いみたいだし。

今回は、サラは相当危機管理能力が欠けてて反省点だと思うけど、やっぱりそれは犯罪を肯定する理由にはならないし被害を受けて当然ってことにもならないし、被告はそのケジメはつけるべきだし。

色々考えさせる、社会派作品でした。
Rio

Rio