3人の男に強姦されるも、司法取引によって暴行罪で済まされてしまったことに憤る女性と過ちに気づいた女性検事による法廷サスペンスです。
例え犯人が刑務所で食らう年数が一緒だとしても"強姦"罪と"暴行"罪ではまったく違いますよね。それなのに自分の預かり知らぬところで勝手に司法取引が成立して、その上罪名がすり替えられていた日にはそりゃあ被害者としては怒り狂うことでしょう。
そんなことはプライドが絶対に許さないはずです。
序盤では被害者サラの要求を聞かない検事キャサリンに苛立ちを覚えます。
けれどもそこで自分の行為を悔い、サラと二人三脚で裁判に臨む姿には好感が持てます。
本作の魅力はそこにあると思います。
裁判とは言え、検事や弁護士としてみればあくまで"商売"です。勿論クライアントの要求を限界まで叶えようと姿勢は必要ですが、それでも現実を見ることも必要です。
そんな風潮がある中で不可能を可能にしようと尽力するから被害者への感情移入も相まって心からサラとキャサリンを応援したくなります。
弁護士の主張、尋問や最終弁論がいちいちムカつきますが、別の視点で見ればイタい所を突いているという点で裁判のシーソーゲームを上手に演出しています。
サラがレイプ現場で囃し立ててい糞男に車で突撃した場面は爽快でしたね。
法廷サスペンスとして非常に良質な作品です。