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あゝ声なき友のoのレビュー・感想・評価

あゝ声なき友(1972年製作の映画)
3.7
部隊で唯一生き残った西山(渥美清)が、終戦後に8年掛けて戦友12人の遺書をそれぞれの遺族に届ける話。

渥美清主演、戦争と手紙の話である点で『拝啓天皇陛下様』に似ているけど、『あゝ声なき友』はコミカルさは一切なく終始重い。

手紙はもちろん宛名人のことを思って書かれているが、実際に手紙が受け取られる時には宛名人の境遇は戦争によって大きく変わっていて、手紙は届いたとしても差出人の思いは届かず、その意味で西山は手紙の配達に失敗する。

「今更あんな手紙どうでも良かったのよ」

有馬頼義の原作を読んだ渥美清が企画・主演した作品。有馬頼義は増村保造『兵隊やくざ』『赤い天使』の原作者でもある。
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