鳥さんの瞼

ボルベール <帰郷>の鳥さんの瞼のレビュー・感想・評価

ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)
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異国情緒。難しかった!
明るくサラッとして、
重たい内容のはずなのに重たく無い。


最初から惹きつけられる。
オープニングの鮮やかさ!

色彩、構図が華やか。
彩度もコントラストも強く、目が賑やかで毎カット楽しい。
寄りが多めで緊迫感がある。たまに入る俯瞰がお洒落。
弔いで人が押し寄せるカットが好きだった。

劇伴も良い!
蕩かすようなサックスやファゴット、弦楽器。
スペイン語も耳に気持ちがいい。


描かれている内容は近親相姦、殺人、黄泉がえり(!? ややギャグかも)。
など、重いはずなのに重く感じない。
とはいえやたらにギャグでもない。
なんだか明るい。
登場人物はサバサバしているし、華やかな画面がそう思わせるのかも。
おばあさんもチャーミングでポイント高い。


その反面、
私にはなかなか内容が入ってこなかった……!

画面がほぼずっとカラフルなままで
特段緩急をつける演出がなく、
集中どころが直感的にわからなかった。

ハーブやお花が乗っててスパイス盛り盛りだけど味はめっちゃ薄味のエスニック料理って感じがした(全然上手いこと言えてない)。


ラストは物悲しく耽美な雰囲気で、終わり方も潔く美しかったです。

ただノレなかった身としては、
種明かしシーンまでを若干飛ばしてしまった。。!すみません。

物悲しいシーンでも鮮やかなのは不思議な感じがしました。
好みというよりも慣れがなく、受け取り方が難しく感じた。

そしてこちらは完全に好みの問題ですが、
個人的には全編、この熱をもっとテンポ早くノリノリで観てみたかったなと思いました。


素敵なのだろうと思えど、
私にはエスニックさへの驚きが大きかった作品でした。
映画って沢山ありますね。経験。
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