非常に美しい音楽と内容に反する鮮やかな画面。
ギャップに魅せられる映画だった。
キッチンペーパーに滲む血さえ美しいと思ってしまう程。
特に、主人公がパプリカを切る画面。
この作品の中で、強く印象に残った場面の一つだ。
母が生きていたと知り今まで守り続け、強く振る舞ってきた娘の前で主人公が流した黒い涙は、今まで観てきた映画の中のどの涙よりも印象的でそして母を想う恋しさに溢れていた。
女である本能、母である責任、そして娘に帰りたいという胸懐。
面白い作品かと聞かれると返答に困るが、出会えて良かった作品だとは言いたい。
それにしてもリップ音でかいな、チュッチュチュッチュ…