冒頭の飛行機墜落シーンがウルトラQみたいな「チープだが頑張っている」特撮で、ある意味見応えがある。出世しか考えない若い記者が主役。演じる待田京介氏の顔力も特撮みたいな強烈さで怖い。ただ彼は政治家を告発するのもいとわないリベラルでもあるので、あまりに露悪的に描かれていることに若干抵抗を感じる。物語自体は他愛ない人情噺。最大の見物はヒロインが父親のリュックに入れた謎の物体の正体。ナスかな?でも話しかけたみたいだったが?と心がざわつくものの、あまりに何気ない描き方なのでどう感じていいのか分からない。しかしそのせいで却って心にひっかかるともいえる。スルーされてしまいそうなシーンだがその正体が明らかになった時には心底驚いた。制作者側は伏線のつもりは一切なかったようで、この意外性を味わえただけでも一見の価値があったように思われる。