まよいマイマイ

ふたりのまよいマイマイのレビュー・感想・評価

ふたり(1991年製作の映画)
4.0
世界、国内には狂ってると云われる監督やカルトな監督が多く存在しているが、わたしのなかで1番頭がおかしい監督と思っているのはダントツで大林宣彦だ。
さて、『ふたり』。劇場公開時に観てソフト化された時に好きなシーンを何回か観ていたが全編通して観たのは公開時ぶり。
今作の魅力はなんといっても大島弓子の漫画に出てきそうな、夢うつつな少女を演じた石田ひかり。デビュー作でどこか現実と夢の間を彷徨うような少女を演出した大林宣彦はお見事(そこが気持ち悪いてのも含めて!)次第に少しずつ大人になっていく、表情が変わっていく移ろいを見事に描いている。(そこが気持ち悪いってのも含めて!)
大きく分けて中学生編と高校生編に分けるとして中学生編では中江有里のもろさの演技がいい。
高校編ではなんといっても島崎和歌子!わたしが大好きで何回も観るシーンは舞台に立つ島崎和歌子演じる演劇部員と舞台裏にいる石田ひかりの対比。そこで歌われる名曲『草の想い』。
この『草の想い』は最初から石田ひかりが鼻ずさんでいて、ほぼ全編に渡ってさまざまなアレンジの『草の想い』が奏でられている。
岸辺一徳と富司純子演じる両親。数年前に亡くなって幽霊となって妹を見守る中嶋朋子。せつない話なんだけども岸辺一徳演じる父親のある行動にはやはり大人になった今観ても解せずw
大林作品でエンドクレジットといば『時をかける少女』に勝るものはないと思うが『ふたり』のエンドクレジットを最初に観た、聴いた、ときはズッコけた。
でも大林監督ならではのちゃんとした理由があると知り納得はしたけど、やはり切なくてうつくしいラストをぶち壊しちゃってる感じ含めて大好きな作品と確信した。
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