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豚と軍艦のyoshimiのレビュー・感想・評価

豚と軍艦(1961年製作の映画)
4.8
舞台は60年代の横須賀。養豚で一儲けしようと企むチンピラヤクザたちの話。戦後当時の日本の横須賀軍艦基地周辺はまだ闇市や売春宿が残っていたんだろうなあと、映画を通して当時の様子を窺うことができる。チンピラヤクザモノとは言えども、欣太と春子とその周りのキャラクターたちはなぜか憎めないというか、もちろん世間的に見たら悪いことをしているし毒もあるんだけど、どこか全体的にポップに演出されていてあまりおどろおどろしさは感じなかった点が凄い!しかし今村昌平は随分アウトローな考え方の持ち主なんだろうと思った。春子と姉が家で激しいケンカをしているシーンで、春子の弟が読み上げていた台詞がこの映画のヒントのような気がした。日本の弱みとアメリカの強みをまざまざと見せつけられているようだな。以下、台詞抜粋。「3 世界と日本 日本は美しい国土を持ち、独特の文化を有し、しかも外国の優れた点を上手に取り入れる能力を持っている。日本は近代的な独立国に成長した速さは、世界中を驚かせたが、反面昔のままの古い考えや貧しい生活が、まだたくさん取り残されている。」
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