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クレールの膝のclaireのレビュー・感想・評価

クレールの膝(1970年製作の映画)
4.6
男が初めてクレールの膝と対面するシーンに思わず声が出るくらい笑った。内容を分析的に見ればちゃんとしたことも語れるけど、そんなことするのが野暮だと思えるくらい表面的な滑稽さが何よりも魅力的という意味で、本当に馬鹿みたいでスケベな映画なんだけど、久しぶりに映画見てる間ずっと”最高だ…”が止まらなかった。今作に関してはロケーションが神がかっててずるいけど、撮影も良かった。特に水着のローラを船に乗った男の視点から撮った揺れたショット。脚本と演出も素晴らしいというかまあこれがロメールだよね的な。今年見た新作映画が押し並べてどれも重くてつまらなくて、このロメールの軽さと恋愛会話劇のどうでも良さが自分の最近のムードには心地良いし、面白いって一言で片付けるのはいかにも安直なんだけど形容詞としてそれ以外の言葉が見つからないからやっぱり面白いって大事だしこの映画はめちゃくちゃ面白い。そういえば、今年見て唯一面白かった「8月のエバ」も作風は完全にロメールだったな。
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