ブラックユーモアホフマン

クレールの膝のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

クレールの膝(1970年製作の映画)
4.2
キモ!きっしょ!!

キモキモおじさんが結婚を控えてるくせに、若くて美しい姉妹両方とイイ感じになろうとする。セクハラを恋愛と履き違えているキモキモおじさんが、「これは”実験”だ」とか彼女たちのためを思ってやってるんだとか、必死で自己弁護し続けるのを聞かされる。毎日来んなよ!お呼びでねえんだよ!暇なのか!

最後にあのオヤジにちゃんと制裁が加えられて欲しいと思ったけど、ロメールはそういうことをする人ではない。

老いを認められず自分はまだ若者と同等かそれ以上に魅力のある男だと信じて疑わないオヤジの醜さを描いたブラックコメディだと受け取った。一人で家帰って絶望しやがれ。

画面は印象派の絵画のようでとても美しいんだけど、内容は醜悪極まりない。フェリーニのカサノバを想起したりもした。

『緑の光線』と同じく、日付と曜日が出る形式。タイトルロールのクレールは開始1時間辺りまでは名前しか出てこない。

数々のろくでもない男たちが出てくるロメール映画だけど、今まで観た中でダントツかもw

ふと、ロメールの映画は吹き替え版で観てみたいかも、と思った。字幕を追うより感情が付いていきそう。ずっと会話だから見てる内に自分の考え事し始めちゃって数行読み飛ばすんだよな。

【一番好きなシーン】
おじさんとおばさんのコンビ技で「おっと、失礼」とか言って膝を触るシーン。爆笑。