えるふぁにんぐ

美しきセルジュのえるふぁにんぐのレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
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怖いよ。

一人じゃ何も通用しない怖さ。村としての考えとか仕来りをよそ者(帰省だけど)に強要したり洗脳したりするわけでも無いのにその一人をなんだか飲み込んでいく感じ。別に村が企てて誘った訳でもなく、男と女が惹かれ合っただけなんだけど囲って逃がさない感じ。

撒き餌ではなく幹から滲み出る蜜のように女は機能してしまう。
森には蜜。村には女は必ずいるからね。それが生態系や集落として成立していくカラクリなのか?

好意を向けてくれていた人にある日突然そっぽ向かれたら逆に気になり出してしまうみたいな。村の不動の姿勢がフランソワを揺るがす。誰も罠にはめようとしている訳じゃ無いし側から見たらフランソワが女に入れ込んでしまっただけに見えるんだけど、結果的に村に捕まってしまっているんじゃないか?という怖さ。
こんな見方は黒沢清のせいだ。