映画狂人

美しきセルジュの映画狂人のレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
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1957『美しきセルジュ(Le Beau Serge)』
ヌーベルバーグと聞いて大多数の人はゴダールやトリュフォーを思い出すが、シャブロルを一番に挙げる人は先ず居ない。
カイエ派の中心人物の一人でありながら、多産だが代表作無き忘れられた作家=シャブロルのデビュー作にして、ヌーベルバーグの発火点とも呼ばれ異彩を放つ伝説的作品。
【出演】
ジェラール・ブラン
ジャン=クロード・ブリアリ
ベルナデット・ラフォン
【撮影】
アンリ・ドカエ
【助監】
フィリップ・ド・ブロカ
というヌーベルバーグ好きには堪らない錚々たる顔触れ。
この時代、この界隈の映画人達の
「共に映画を変えていこう」
という強い意志が感じられる。
短編を撮ったこともない助監経験すら無い素人同然の青年による作品とは到底思えない、新しい波=ヌーベルバーグ到来を告げる恐るべき処女作。
故郷を離れ都会に出た男と故郷に残るしかなく酒浸りの日々を送る男、堕落したかつての親友を救おうと奮闘するフランソワの姿が何とも遣る瀬無い。
最後のセルジュの人間らしさに溢れた笑顔が忘れられない名作。
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