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美しきセルジュのooospemのレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
5.0
最高すぎませんか…?オールタイムベスト、更新。

ヌーヴェル・ヴァーグにおける、世界で初めての成功作。シャブロルもう一つの傑作『いとこ同志』と対をなすというか、裏表ぴったり合わさるかのようなシンクロぶり。チェスの駒においてフランソワ(ジャン=クロード・ブリアリ)が白ならセルジュ(ジェラール・ブラン)が黒、二人揃って運命ゲームを進めていくかのような人間ドラマ。このコンビ最強すぎてプライベートの交流があったのかどうか気になる。そして何より…ブリアリが!!イケメンすぎる!!愛と赦しをもってしても救いようのない他人の闇というのに心を奪われてはいけないわけで。美しい心を持つがゆえに、沼から目覚めることができない「救済者」という難しい役どころを確実に演じきっている。いつも女の子をひっかけて自慢げに自分の知識を語りまくるナンパ男の役が他作品でハマりまくるくせに、こんな人間臭い、神秘的な役までハマってしまうなんて…。ブリアリ、天性の人間たらし説。

(どこかの解説で、「ゴダールは自作において、ベルモンドという救いようのないバカ男に自分を当てはめ、愛嬌と軽妙さをもつブリアリに自分の理想像を当てはめたのではないか」という見解を読んだことがある。強ち間違いではないのかもなあと若き日のブリアリ作品を見ていて思ったこの頃)
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