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美しきセルジュのokawaraのレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
4.3
停滞した村でも、教会はご立派に存在しているが、もはや信仰は死に際の慰めでしかなく、村人の生活を良くすることなどできない。

そんな貧困社会へ、療養のため帰郷した純真無垢な青年。
酒と不貞に明け暮れる村人たちを前に、「私がこの村の手本になる」と意気込むが、まさかキリストでもあるまいし、ただただ浮き足立つのみ。

以上、導入から中盤にかけての語り口に、積極的な「白痴」への目配せを感じる。
そして、善なる存在のグロテスクな描写が続く終盤に、その現代的な再解釈を見る。

ヌーベルバーグの萌芽? この時点で既に完成してるじゃないか!
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