イシダコ

エム・バタフライのイシダコのレビュー・感想・評価

エム・バタフライ(1993年製作の映画)
3.5
一見クローネンバーグらしからぬようでいて、その実極めてクローネンバーグ的な肉体と精神の変容というテーマがここでも扱われている。オリエンタリズムや捻くれた女性蔑視など危うい要素も見て取れるが、それは主人公が単にそういう間違った観念に基づいた人物ということであって、決して映画自体がそれらを推奨していたりそのポジションに立っているというわけではない。むしろ白人男性の優位性に自覚的であり、自らの欠点に向き合っている立場だと言える。尚、いま観るとジェンダーや信仰という観点では、実は『クラッシュ』以上に『TITANE/チタン』への影響が強く感じられ、共通性が備わった一作にもなっている
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