エルヴィスという伝説的な巨大アイコンを向こう側にまわして描いたことで(またこのあんばいが絶妙。明らかに批判的な意図をもって描いているもののそれに対してのめんどくせえ批判はできるかぎり噴出しないように抑>>続きを読む
ある一人の中心人物を周りの他の連中が奪い合うという『V.I.P.』と同じ構造。『V.I.P.』のような苦みやドライ感はないものの、ベタっとはしていないフィリピンの熱帯に合わせてきたかのようなカラッとし>>続きを読む
つまんなくてもムカつくけど、面白かったら面白かったでそれもまたなんか癪にさわるヴィルヌーヴ案件。IMAXの真四角に近い画角より、横長のシネスコの方が映えそうなショットが多い気がしてそっちも近々行くつも>>続きを読む
『異人たち』よりは全然いいものの、世評の高さのわりにはあんまピンとこなかった。とくに秀でている箇所があるわけでもなく至ってフツー。アンドリュー・ヘイって、セクシュアリティを描くときにそこから端を発した>>続きを読む
『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊と同じ枠組みに入るザック・エフロンの好演。前作『不都合な理想の夫婦』から続く80年代マチズモ批判であり、不健全なコミュニティからの脱却という意味ではデビュー作『マーサ>>続きを読む
ありえない設定や多少の話の粗も許容できるというか、むしろ映画的ハッタリのカマし具合が心地よく好感を持って観れた。前作『ポゼッサー』ほどではないにせよ、安定して今回の3作目も面白い。目が冴えるようなカラ>>続きを読む
うーーん、最終回の5話目にしてようやく話が動き出した感。これなら5時間もいらないのでは? ってなったけど、それまでに一応の積み重ね的なものがあったからこそラストはそれなりに観れたところがあるのかもしれ>>続きを読む
思いのほか良かった。一線級と絶妙な人選の懐かしい顔触れが交じり合った大量の豪華キャスト。ベタなアプローチとはいえ感情と状況が一致しないアンビバレントな批評性。ダレる箇所はありつつも全体としては3時間の>>続きを読む
大島渚の『御法度』やフィンチャーの『ファイト・クラブ』のことなんかも思い出しながら観てた。武力的なマチズモの集団、そのなかで一人の美しき男に対する嫉妬や羨望が入り交じった複雑な感情、自縄自縛にも近いよ>>続きを読む
題材も手法もどこにも目新しさなしで古臭い。が、作り手自身は恐らくフレッシュなことをしているつもりだから観ていて余計に痛いし白ける。これをクローネンバーグが撮っていたらどんなに良かったことか……
『別れる決心』以降の作品でいちばん『別れる決心』に肉迫していたと言えるかもしれない。それは殺人とメロの両立やマーラーの交響曲第5番の選曲といった表面的な要素だけではなく、もっと本質的な肝の部分において>>続きを読む
クールな筆致には好感が持てるものの、インパクトは想定の範囲内といった感。ラストの編集は独特で面白い
いい意味での不明瞭さがあり、観客の想像力、ひいては思い込みや読み込みに裏打ちされた映画の美学に貫かれている。が、結局のところは真実と事実の違いや、我々が知っているのは常に“全体の一部”でしかないといっ>>続きを読む
膨大な情報量にのっけから驚かされる。が、さり気なくもそのひとつひとつの提示もきちんと統制がされているので非常に見やすい。そして良い意味で狂っていない。不条理なようでいて筋が通っているロジカル且つ真っ当>>続きを読む
そもそも脚本があまりよろしくない印象。構成はいびつだし、テーマは良くともストーリー自体は冗長的(解決パートも後出しの域)。シリアスとユーモアのバランスも悪くてギャグはことごとく上滑り。演出も面白みなし>>続きを読む
教科書どおりとも言えるベタな演出のオンパレードで冒頭からして失笑してしまった。意外性皆無の王道すぎてつまらん。この話を英語で撮っている時点で、作り手もどこまで真剣に取り組んでいるんだか…… ともなる。>>続きを読む
本筋入るまでのお膳立てがモタついている。そしてようやく面白くなってきたとなるも、仁祖にヘジンをキャスティングするその狙いも、ヘジン自身のアプローチもあざとくて完全にはノリきれない。ラストは韓国映画の悪>>続きを読む
勝手に今年ベストワンを期待してたんだけど、ちょっとこのスコアじゃ無理かな。嫌いではないけど、主にダメだった点を挙げると…… まず2012年パートで主演二人が24歳に見えなくて無理ある。ユ・テオは兵役シ>>続きを読む
前半はヴェルサイユ版『プリティ・ウーマン』といった趣き。マイウェンもジュリロバにどことなく見えてくるぐらいには似ていた。どの部分に関しても描き込みが浅く、正直映画としては全くたいしたことがないけど、題>>続きを読む
ランティモス、よくもわるくも随分と見やすい映画を取るようになってしまった。これを洗練と取るか、はたまた野暮と取るか(2回観たらランティモスの円熟として受け入れられるようになって初見より印象が良くなった>>続きを読む
好ましい要素も一応あるにはあるけれど、それでも期待ハズレであったことには変わりない。ギャグのトーン、綾野剛の演技スタイル、諸々のアプローチの仕方や方向性には終始ちぐはぐな違和感と疑問が拭えなかった。こ>>続きを読む
とりあえず『ザ・ロック』をやりたいことだけはよくわかった。試写で観たけど、どこも誉められるところが見つからない…… すまん
互いに結婚していて年の差も大きく離れている。二人ともが抑制を働かせて親愛に留めておいたはずなのに、それとはまた違うような別の感情が些細なアクシデントからついに芽生えてしまう。だけどそれは別れがすぐそこ>>続きを読む
超面白い。鮮やかなストーリーテリングと力強い描写の数々で終始惹きつけてくる。幸か不幸か、図らずもタイムリーな題材になってしまったとはいえども、描かれているテーマ自体はいつ何どきにも通用する普遍性。目前>>続きを読む
中年というか、初老といっても過言ではないのに、それでもまだこんなことを繰り返してしまっている男女の業の深さ。まごうことなきメロ
つまらないってほどじゃないけど、とくに面白いってほどでもない微妙さ。印象に残るシーンがないわけじゃないけど、そこまで強く印象に残ったり惹きつけてくるわけでもない。話の構成や組み立て方も、なんか間延びし>>続きを読む
ここ15年のリドスコの中では、『悪の法則』と『コヴェナント』の次ぐらいには好きかな。わるくはない。ただまあ158分あってもダイジェスト感が拭えないのは如何ともしがたい…… これなら4時間版もウェルカム>>続きを読む
話自体はいいけど、説明過多な語り方といびつな構成に難アリ。再見して慣らす必要がある。フィジカル面でもメンタル面でも残酷で、そのうえメロ要素もあるから頑張ってはいる
男色と暴力。狡猾と非情。魅力的な要素は揃っている。肝心の本能寺の変での編集が急だったり構成にいびつさの難もあるけれど(それが体感時間の長さに結びついている)、概ね満足できたし面白かった
スルー予定だったけど、評判良くて行ってみたらこれが見事に大当たり。クラシカルなバイブスを発しながらメロとケレンが遺憾なく融合されていてどストライク。俳優陣はベストアクト更新級のパフォーマンスだし、脇の>>続きを読む
再見してちゃんと確認したいけど、ホン・サンス版今年上半期に公開された某傑作? という印象をちょっと持った(一応コメント欄に伏せてタイトルだけ記しとく)。観終わると『夜の浜辺でひとり』に近い感触もあった>>続きを読む
ドキュメンタリーとしての切り込みは浅い方だけれど、それでもパトリシア・ハイスミス自体のモテモテなカリスマ性と孤独の一面を併せ持った人となりはやはり充分に魅力がある。そして『キャロル』がいかに重要な一作>>続きを読む
大阪アジアン映画祭でオリジナル版を観て上半期ベストにも入れた一作。ディレクターズカットでどこがどう増えたかはようわからん(大阪アジアンもディレクターズカットの素材だった可能性ある?)。改めて観ても面白>>続きを読む
参考にならんのは毎度のことだけど、今回はマジで参考にならんレビューです。退屈でつまらないし、しかも長いけど、とりあえず最推し監督ノエの新作だから好きは好きっていうそれだけ。ツーショ撮ってもらってオール>>続きを読む
異常事態の中で誰よりも正常であったがために激情の犯行へと駆り立てられていくアイロニカルな悲哀。ジョンソクの片目からのみこぼれ落ちるひと筋の涙は、正気と狂気の狭間で葛藤するテロリストの苦悩をそのまま体現>>続きを読む