友二朗

陽はまた昇るの友二朗のレビュー・感想・評価

陽はまた昇る(2002年製作の映画)
4.1
「数字で表せない無形の財産」

いやぁ気持ちの良い作品を観た。
仕事に夢中になれるって素晴らしい。

結構淡々と進んでいく印象やったけどそこがまたリアルに感じた。

やっぱり企業系の邦画って面白い。
揃って豪華キャストやし。

上は下の成果ばっかり横取りしてて悔しく限り。そんな中でもどこに目的を持つか、なんやけど、やっぱり難しいよねそんなもん。普通欲出るよ。

「夢中にさしてくれてありがとう」
ラストシーンには涙が零れました。西田敏行、なんと爽やかな表情を作れる人でしょう。

猛おめえ良い奴やなぁ。
これからもお母さんと弟大事にしてくれ。

「子供のキラキラと輝く好奇なまなざしで、世の中のすべてを見るように、人生をかみしめるように、荒まく海から裏町の路地も、赤く輝く星から一粒の砂までも、何か意味を持ってそこにあるんだ。私はその全てをこの目で見たい」

絶望の淵で思い立つ大阪への道。高速道路で少し気まずいながら熱い話をする2人。パーキングエリアでうどんをすする2人。大阪について相談役に直訴しても成功する訳じゃない。そんな過程が何故か楽しい。

青春とは何歳になっても出逢えるんですね。

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「お父さんは自分と闘ってるの。お母さんも一緒に闘いたいの」

この夫婦像大好き。

僕の父は僕の母の事を下の名前で呼びます。僕に対しての一人称も「俺」です。なんかよく分かりませんがそんなところが良いなと思ってます笑

病室の圭子のもとに着いた静男、VHSが松下の相談役に褒められたことを誰よりも先に圭子に言いたかったって報告するけど、うーん、なんか違う事言って欲しかったなあ。VHSの事を誰よりも応援しているのが圭子だからこそ、圭子のために技術者としてではなく唯の夫として言葉をかけて欲しかった。お門違いな事言っとるかもしれんけど、この感覚は曲げたくない。

でも病院の屋上で「僕さ、こういう言い方も変だけど、なんか2人でこうしてるのがだんだん楽しくなってきた」のシーンは良いねえ。これにはにっこり。

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「修理するより、壊れないものを作りたいよな」

「どんな良いものができたって間に合わなきゃ意味がないよ」

「我々のVHSをですね、あなたのその長いものには巻かれろみたいな、そういう腐った役人根性でこの世から消されちゃたまんねぇっつってんだよ!」

「加賀屋さんの話はもういい!たまには、私の話もしてよ」

「何事も...人、ですなあ..」

「僕はね、これからはずーっとあんたのそばにいたいの」
「ウソばっかり。庭いじりしてたいんでしょ」
「どうして分かるのよ」
「フフフッ」

素敵な映画だねえ。

読んでくれてありがとう。
友二朗

友二朗