碧SU

陽はまた昇るの碧SUのレビュー・感想・評価

陽はまた昇る(2002年製作の映画)
4.0
ワクチン2回目を打ちました。
現在、関節の痛みが増してきて眠れなくなっております。
テレビが故障してから数日…
まだ購入の決断もせずに読書かパソコンだけの生活ですが、
眠れない+腕も痛いしで読書は厳しい。
ならばパソコンで映画鑑賞しようとNetflixをあさる。
そこで出会いました【陽はまた昇る】でございます。

私は当時この映画をビデオレンタルで借り損ねた記憶があり、
先に観ていた親父だけが「この映画は面白いぞ!」と言っていた。
その作品がNetflixにある!高画質!これは良い!
なんと言いましょうか…
池井戸潤作品の平成版とでも言いましょうか…
窮地に立たされた会社を社員達が乗り切る奇跡の物語。
ビデオテープに思い入れのある私はボロ泣きでございました。

昔、我が家にはベータもVHSもどちらもありました。
しかしベータマックスは押入れの隅の方に眠り、
VHSの棚が壁一面にズラ―っと並ぶ光景。
うちの親父が録画してラベルに手書きしたVHSの多さときたら…
そこで私は内容の分からないビデオテープを手に取り、
自宅にいる時は、まあビデオ観るかゲームするかの毎日。
親父の宝とでも言うべきビデオテープには、
数々の洋画・邦画・アニメ・ドラマ・バラエティ番組…
幼少の頃から映画を色々観てたのは親父の影響なのは間違いない。
だからこそ今じゃDVD・Blu-ray化してない作品も、
当時の思い出がけっこうあるのです。

マーク・ハミルが出演していた特撮洋画「ガイバー」
DVD化する前に死ぬほど観ていた「ハワードザダック」
庵野が関わっていると当時知らなかった「愛國戰隊大日本」
三上博史とユン・ピョウが活躍した「孔雀王」
(阿部寛の孔雀王2も観ていた)
武田真治が兄さん兄さん言ってる「ナイトヘッド」
ちょっと大人向けだった数々のOVAアニメ
スーパーマリオの攻略ビデオ
などなど…なんかレアだったものは覚えてるもんだなあ。

ビデオテープというものが生まれなければ、
今の自分はいないのだと思います。
それだけ人生に影響を与えたビデオテープ。

この映画は渋い俳優が大勢出演している点も素晴らしい!
シン・ゴジラを彷彿とさせる豪華さ!
若い頃の篠原涼子も良い!平成の可愛い女性感が出ています。
VHSの父、高野鎮雄を演じた西田敏行も最高だ。
役名は加賀谷静男なので違う名前だが、
同じ「しずお」という名前に込めた別のメッセージ。
本社の意向と板挟みになる渡辺謙の役柄も良い。

唯一の実名で登場する松下幸之助。
松下幸之助を演じるは仲代達矢!おお!レジェンド!

そしてなんといっても社員全員の活躍に胸が熱くなる。
(ワクチン2回目後で発熱による熱さではない)
感動が込み上げてくるのだ。涙腺崩壊なのだ!

現代の若者には分からないかもしれませんが、
ビデオテープという存在は我々に夢を与えてくれました。

それがなければDVDもBlu-rayも存在しなかったのでは…
それがなければ、ここまで映画好きが世に溢れなかったのでは…
VHSの偉大さよ。

思い出補正が強いのでアレだが、興味があれば観てほしい。
是非、プロジェクトXを観る気持ちで鑑賞してほしい。

人間の諦めない精神は全ての人の心を動かします。
碧SU

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